天狗山(てんぐやま/青木村)
 〜大明神岳の北に位置する見逃し難い存在〜標高1,122m〜
 青木村の大明神岳(別掲)のすぐ北に位置する山。大明神岳の山容があまりに秀麗なせいか、一般にはさほど関心が払われていない山のようだが、なかなかどうして、望む方向によっては、こちらもまた結構端整で登行欲をそそる姿を見せてくれ、筆者のごとき寂峰趣味の者には実に見逃し難い存在。なお、同じ東信地域に同名の山があるので、見出しには混同を避ける意味で山名の後に所在村名を付して紹介している。(注:当初は他との区別の便宜上、山名の前に村名を冠し「青木天狗山」として紹介していたが、本来の山名でない呼称が流布するのは好ましくないと思われたため、上記のような紹介方法に改めた。)
 この山へのアプローチは、西側山腹が別荘地になっていることもあり、存外かなり上部まで車で上がることができる。青木村の田沢で国道143号線から分れ、沓掛温泉方面への道を進み、さらに大明神岳の東山腹で右に分かれる林道に入る。大明神岳の登り口からほんの300mほど行った所から、また右に分かれる林道に乗り入れると、そのうち別荘地の中を通過して、配水池施設の方へと上がって車道は終わる。天狗山はそのすぐ上で、短気な向きには、そのまま樹林の中を直登しても特に支障はないだろうが、配水池施設の手前のカーブから左に分岐する細い林道をしばしたどり、その終点から天狗山の北西に延びる尾根伝いに明瞭な踏跡を上がれば、多少遠回りながら全く薮漕ぎもなく登頂できる。ちなみに筆者もこのルートで登頂した。所要時間は配水池手前の分岐から頂上まで徒歩片道30〜40分。頂上には素朴な石祠が1基祀られている。周囲は樹林に囲まれ、展望はそう豪快とはいかないが、それでも南の樹林越しに近くの大明神岳や、また西に滝山連峰の入山あたりが望まれる。

 ← 青木村の天狗山を望む(大明神岳寄りの車道より)

【緯度】361957 【経度】1380634