大明神岳(だいみょうじんだけ)
 〜極めて端整な姿ながら静寂な峰〜標高1,232m〜
 鹿教湯温泉の北西、上田市・青木村の2市町村の境に聳える峰。その名も「大明神」と威勢良く、この付近の夫神とか女神とかいう神様めいた山々の、いわば元締的印象を受けるし、また山容についても、地形図上、極めて密かつ均等な同心円を描く等高線の有様から一目瞭然の通り、ピラミダルで非常に端整な姿を有する。
 ところが… そんな特徴的な山の割に、存外登山道が判然としない山。筆者も折にふれて、この山の北から東にかけて延びる車道を行ったり来たりしながら登山口を探したが、結局はよく道が判らないままに、この山の南東山腹あたりで車道と分かれて南山腹方向へ食い入っている山林作業道を徒歩でたどり、その道の最も高そうなへんから強引に斜面に取り付き、道ともいえぬ踏み跡をたどって何とか登頂できた。車道の山林作業道入口から1時間半ほども要したろうか。然るに… いざ登頂してみれば、何と結構はっきりした道が北西に下っているのを見出したので驚いた。どうも、そちら側から登るのが順路らしく… 所詮は筆者が自分で勝手に登山口を見落としていたに過ぎなかったことが判明したのだが… しかし、どうして判らなかったのだろう?
 ただ… この山、山中のそこかしこに張り巡らされているビニールテープの有様からして、明らかに茸山であり、どうもそのへんが登山口の判然としない理由の一つなのだろう… したがって、登山時期は、当然茸の時季は避けるべきである。折角楽しみに山に行っても、ゆえなく泥棒扱いされたのでは堪らないからだ。なお、登山口までのアプローチは、鹿教湯温泉から青木村に抜ける車道を行けばよい。

 ← 大明神岳を望む(二ツ石峰方面より/右背景の山は独鈷山)

【緯度】361920 【経度】1380653