城山(じょうやま/内山城址)
 〜幾度か実戦も経た典型的な山城址〜標高910m〜
 佐久市から国道254号線を「内山峠」方面に向けて車を走らせると、「内山峡」にさしかかる手前のへんで、左手に目につく特徴的な山容の小高い峰。特に頂上付近が急峻な地形の山だけに、事前知識がなくても一見して戦国時代の山城址(内山城址)と見当がつくだろう。
 かくも顕著な山城ゆえか、この城、南原公平氏著『信州の城と古戦場』(令文社刊)等によれば、甲斐の武田信玄の信州侵攻に伴い、幾度かの実戦を経験しているとのこと。ことに最初の攻防においては、本郭付近の急峻な崖など地形を存分に活かし、守将の大井貞清以下城兵が勇戦敢闘した結果、あの武田の猛攻に10日余りも持ちこたえたと伝えられている。もっとも、最終的には降伏開城し、城主の大井貞清も死は免れたらしいから、北信の葛山とか中信の平倉山のごとく全滅したような山城址の山に比べれば、訪問するにも多少気は楽だが… いずれにせよそこで戦いがあった以上、少なからぬ戦死者も出たことだろうし、五十歩百歩と言えなくもないが。
 この山の登り口は「佐久の萩寺」として知られる園城寺のすぐ下。国道254号線脇に案内標識もあるので迷うことはあるまい。園城寺からは山城址らしく矢竹の密生する斜面を抜け、郭や石塁を見つつ登ってゆけば、ノンビリ歩いてもほんの30〜40分ほどで本郭址の頂上に達する。頂上は想像以上に展望が良く、特に浅間山方面の展望が抜群なほか、樹間に遠く北アルプス連峰や蓼科山などまで見渡せる。

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【緯度】361413 【経度】1383130