大林山(おおばやしやま)・八頭山(はっとうさん)
〜地元では「氷澤山」と呼ばれる〜標高1,333m(大林山)・1,204m(八頭山)〜
筆者がこの山の頂上に立った時、そこに、達筆で次のような詩を記した板が据え付けられていた。良い詩なので、少し長いがここに記してみたい。なお同文中「氷澤山」とは、大林山の地方名。
「めぐりてたてる群山の 中に聳ゆる氷澤山 流れて出ずる谷水を 集めてなれる室賀川 学舎卒業(おえ)て五十年 海軍記念日想いつつ 同級生(とも)は集いて嶺に立つ 移りし世にも変りなき 気高き愛の山河よ 室賀の里に栄あれ」 平成五年六月六日 昭和十八年室賀国民学校卒業生有志一同
筆者はこれを一読して、思わず胸がつまるのを覚えた。故郷を象徴する情景への人々の想いは、今も昔も変わりない… これ以上、あえて多くは記すまい。まだ登られてない方は、是非一度訪れてみてほしい。
筆者は上田市上室賀から氷沢川沿いの林道を登山口まで入り、そこから徒歩1時間半ほどで登頂した。北の八頭山(1,204m)側からも縦走できるようだが、筆者はまだ「四十八曲峠」から八頭山までしか訪れていない。その八頭山へは、四十八曲峠のトンネルの筑北村(旧坂井村)側出口の脇から道が上がっており、それをたどって主稜線上に出て、後は尾根通しに登りつめれば頂上に達する。峠から40分ほども登ったろうか。三角点も標識もない、樹林に囲まれた地味な頂。東側の山麓から見上げると、大林山と並んで割と立派な山容を見せている山にしてはやや意外。将来、両山を縦走する日を楽しみにする意味もこめて、便宜上大林山と同項に収録した次第。
← 大林山を望む(冠着山頂上より)
(緯度・経度は大林山に合わせてあります。八頭山はその北に位置しています。)