布引山(ぬのびきやま)
〜「牛に引かれて善光寺参り」ゆかりの地〜標高710m(「六角堂」跡)〜
「牛に引かれて善光寺参り」で有名な、布引山釈尊寺のある山。一般には「山」というよりは「布引観音」の名で知られているが、なかなかどうして、ショートコースながら「山」としての醍醐味も結構味わえるところ。
登るには、南側からなら車道が釈尊寺近くまで通じているが、「山」として楽しむなら、やはり北面の登山口から、豪壮な周囲の断崖絶壁や路傍の石仏などに目を惹かれつつ登るコースがよい。善光寺信仰にゆかりの地だけあって、途中には善光寺まで通じているという「善光寺穴」などがある。もう少しで釈尊寺というへんまで登れば、京都の清水寺のミニチュア版みたいな懸崖造りの布引観音が初めて目に入る。一般には、ここに参拝して、そのまま下ってしまう向きが多いようだが、「山」としての布引山では、やはりその上の「六角堂」跡のピークを往復したいもの。観音堂の右手に続く岩洞内をくぐり抜け、さらに岩場伝いの道を登れば、今は土台の石組だけが残る「六角堂」跡。静かで落ち着いた雰囲気の場所だが、展望はそこよりやや下の岩壁の縁あたりからの方がいい。所要時間は、登山口から六角堂まで往復しても2時間もあれば十分。
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