愛宕山(あたごやま)
〜名だたる避暑地旧軽井沢の北の山〜標高1,174m〜
今や全国的に有名な観光地かつ避暑地である軽井沢の中でも、最も早くから開けた旧軽井沢のすぐ北にある、小さいながらちょっと気になる山。国土地理院の地形図を見ると、頂上に神社記号があるので、その名からして当然京都の愛宕神社の分社でもあるものと思っていたが、いざ訪れてみたら、なぜか祀られているのは「三笠成田山」の社。妙に思って下山後に調べてみたら、実は愛宕神社はこの山の頂上ではなくて南山腹にあることが判った。筆者の場合、幼少の家族同伴だったことや時間の関係もあって、頂上直下まで細いながら通じている車道を車で駆け上がり、後はそこから「三笠成田山」の立派な鳥居をくぐり、手すり付きの木階段の急な道をほんの数分登っただけで登頂という、実に安易な訪問をしてしまったので、本文記述時点では愛宕神社の方にはまだ訪れる機会を得ていない。いずれ再訪してみたいと思っている。
そんなわけで、本項に紹介するのは、現時点ではそのような最も安易な登頂方法にならざるを得ないので、そのような山登りを邪道と考えられる向きには、適宜別の登頂ルートを検討願いたい。もっともアプローチに車を利用する場合、旧軽井沢の街中では、あの唖然とするほどの雑踏を避けながら通行しなければならず、散々苦労させられるので… それに加えて山に登る苦労まで味わうくらいなら、いっそ車でさっさと訪問してしまう方がよいともいえる。まあ、そのへんの手段の選択は個々人の趣味の範疇だろうが。
いずれにせよ、車で頂上直下まで上がる場合、旧軽井沢の街中から北西へ「旧三笠ホテル」「白糸の滝」方面へと延びる道に入り、雑踏が切れてしばらくしたへんで「三笠成田山」参道の標識のある道を探して右折、後は適当に高い方を目指して進めば、そのうち頂上直下の駐車スペースにたどりつけるだろう。そこからは前述の通り、鳥居をくぐって木階段道を上がれば、5分もしないうちに朱に塗られた頂上の「三笠成田山」の社殿前に出られる。社前に一礼してから周囲を見回すと、そこは麓の雑踏とは別世界のごとく静寂で、右手に四等三角点標石と、「中里藤雄翁」の像がある。ちなみに筆者が訪問したのは10月半ば過ぎ頃であったが、頂上周辺にはまるで「三笠成田山」の社殿の色に合わせたかのようなフシグロセンノウの朱色の花が点々と咲いていたのが印象に残っている。
なお、軽井沢近辺には、本項で紹介した「愛宕山」のほか、和美峠の東にも同名の山があるので、そちらと混同しないよう注意されたい。
← 旧軽井沢付近の愛宕山頂上付近(「三笠成田山」の社殿あり)