仏岩(ほとけいわ)
 〜県下最古の宝篋印塔が頂上に鎮座〜標高1,336m〜
 小県郡長和町の、白樺湖に通じる通称「大門街道」沿いにある岩峰。こじんまりした岩峰ながら、確固たる存在感をもって光彩を放っている、珠玉のようなピーク。その「珠玉」たる所以は、まずもって、スリルあふれる鉄梯子を登り切った末、岩峰の頂点で得られる高度感あふれる展望と爽快感があげられるが、それ以上に驚くべきは、そんな危うい岩峰の頂点に、何と鎌倉時代(応長元年/1311年)の建立という宝篋印塔が安置されていることだろう。塔最上部の相輪は残念ながら紛失しているが(注:大正時代までは現存していたらしい、残念!)、梵字により宝篋印陀羅尼のほぼ全文が刻みつけられており、これは同時代の同種の塔としては、全国的にもほとんど例がなく大変貴重とのこと。昭和34年に県宝指定を受けたことは、至極当然といえる。
 したがって、単に登山のみならず、歴史探訪の地としても一級のスポットといえるが、前述の通り、頂上部の岩場は安全とはいえスリル満点なので、それなりの心構えで訪れるべきだろう。大門街道脇の登山口には、標識があるので注意していれば見落とすことはない。駐車後、頂上まで約1時間。なお、件の宝篋印塔は、厳重に鉄柵で防護されていて、その点やや興ざめだが… 貴重な文化財保護上、まあやむを得まい。

 ← 仏岩頂上付近にて(最上部に県下最古の宝篋印塔が見える)

【緯度】360844 【経度】1381423
(大門川の東の山稜上の1,335.5m三角点ピークが仏岩です。)