鬢櫛山(びんぐしやま)
〜「びんぐしの里公園」の優しい里山〜標高519m〜
坂城町の千曲川左岸、別掲の「三水城山(三水城址)」と「狐落山(狐落城址)」のすぐ北にぽこっと盛り上がる、優しい容姿の里山。付近一帯は「びんぐしの里公園」として整備されており、山中にはマレットゴルフコースなどがあるなど、「山」としては少なからず物足りない面もあるが、その代わり、家族連れでのレジャーをはじめ、付近住民の格好の憩いの場となっている。
この山への登路はいくつかあるようだが。最も安直なのは「びんぐしの里公園」の温泉施設「びんぐし湯さん館」のすぐ裏手からの道。キアゲハ、キチョウ、ベニシジミなどが舞う長閑な道を、ほんの10〜15分も登ると、大して汗もかかぬうちにお稲荷様の祀られている頂上に着く。樹間に千曲川対岸の五里ケ峰などの眺めがよい、里山らしく落ち着いた雰囲気の場所。また下りた後すぐに「湯さん館」で一風呂浴びていけるのも嬉しいところ。
このような山は、須坂市の臥龍山とか佐久市(旧臼田町)の稲荷山のように、多くの人々が至極気楽に接し楽しめる反面、前述のように「山」としてはいささか物足りなさを禁じ得ないことから、ハードな山登りには見向きもされない面もあるが、しかし筆者が思うに、登る人の年齢や体調、目的の如何、また一人か家族連れかなど、それぞれの状況に応じて、同じ「山」でも多様な選択範囲があっていいのではないか。まして森林の癒し効果などが注目されている今日、この「鬢櫛山」のような場所をこそ、今後より一層大切にしていきたいものだと思うのだ。
← 優しい山容の鬢櫛山(東側山麓より望む)
(北側山麓に福沢川が流れ、頂上に神社の記号がある、519m標高点の小山が鬢櫛山です。)