阿登久良山(あとくらやま)
〜存在感ある山の割に何故か静寂〜標高1,241m〜
小海町にある面白い名前の山。標高的には平凡ながら、頂上周辺には結構急峻な岩壁をめぐらし、意外な存在感を示す。山名の由来は明らかでないようだが、読みが「後」「ー」に通じるので、「村の背後に聳える岩山」とでもいった意味で付けられた山名なのかも知れない。
そんな興味をひく山の割に、国土地理院の地図上では登山道の記載がない。それでも、地元の人が登る道の一つや二つあるだろうと思い、試みに南麓から訪れてみたが、やはりよく判らなかった。そこで筆者の場合、結局は東に延びる尾根から薮漕ぎに突入し、登頂した。もっとも上部では露岩が出てきて、薮はさして苦にならなくなったが。頂上自体は樹林に囲まれて展望もなく、三角点標石が埋設されているだけの地味な場所だが、その分頂上近くの岩稜上で展望が利き、茂来山、御座山、天狗山など、このあたりの名峰の数々が望まれる。また、そのあたりから南に見下ろす急峻な岩壁の有様も、なかなかの迫力。
それだけの山なのに、道が今一つはっきりしないのは… この山、どうも茸山だからかも知れない。あるいは筆者が知らないだけで、別の方向からちゃんとした道があるのかも知れないが、いずれにせよ秋に訪問することは避けた方が無難だろう。
← 阿登久良山を望む(南麓より)