安曽岡山(あそおかやま)・高ボッチ(たかぼっち)
〜独鈷山前衛の美しき山容の峰々〜標高1,080m(安曽岡山)・1,104m(高ボッチ)〜
別掲の独鈷山より北東に派生する山稜上に双耳峰状に聳え立つ、見る方向によってかなり美しい山容を見せる気になる山々。別掲の弘法山と同様、一般には独鈷山の支峰としかみなされていない感が強い山々だが、しかし実際に訪れてみると、なかなかどうして、それぞれ個性的で立派に独立峰的風格を有する好峰。マイナーな山々だけに、野生動物の気配も濃い静寂な雰囲気が濃厚で、真に山を愛する者たちだけのエリアであってほしいと思わせるような山域だ。
これらの山々に登るには、北の前山寺側からの山稜伝いに明瞭な道があるようだが、筆者は冬季に訪れたので、積雪量を考慮し、「平井寺トンネル」よりわずか北の古安曽の平井寺集落から谷沿いに安曽岡山と高ボッチとの間の鞍部に上がる、若干日当りの良さそうなルートから登ってみた。国土地理院の地形図上は点線道が両峰の鞍部を通過しているのだが、実際に行ってみると、道は登るにつれ不明瞭となり、上部では獣道とも茸採りの道ともつかぬような踏跡を拾いつつ、適当に登り易いところを選んで進むような状態になる。しかも、ようやく登りつめた鞍部は、多少開けているかと思えば標識一つなく、案外人が入っていない山域であることが知れる。ともあれ後はここから右へ登れば安曽岡山、左に登れば高ボッチ。両峰とも樹林の中の静寂な頂だが、安曽岡山は比較的広く、山麓の東塩田小学校PTAによる「安曽岡山登山道」の標識などがあって多少は人気を感じる頂上なのに対し、高ボッチは標高こそ安曽岡山より20mほど高いが、山名表示板すらない、狭く地味なピークの頂上だ。展望的には前者の頂上付近からは樹間に独鈷山など、後者は頂上付近の露岩上から蓼科山や間近に富士嶽山などの展望が良い。
以上、両峰訪れても所要時間は麓の神社から往復約4時間程度。
← 高ボッチ方面の山稜を望む(安曽岡山頂上直下より)
(1,053.3m三角点のすぐ南西ピークが安曽岡山、そのさらに南西の1,104m標高点が高ボッチです。)