閼伽流山(あかるさん/閼伽流山城址)
〜昭和天皇も登られた好展望の地〜標高1,028m〜
筆者は初めてこの山の名を目にした時、ずいぶん難しい名前の山だが、こんな字を当てるからには、大方、仏教とでも関連する山なのだろうと思ったものだが、案の定、この山の麓には「閼伽流山明泉寺」がある。そこから若干細い林道を上がった所が登山口。駐車し、徒歩わずかで中腹の千手観音堂に。このあたり、岩壁の裾にへばり付くかのように石仏が立ち並び、いかにも信仰の拠点といった雰囲気。
千手観音堂からほんのひと登りで、展望の良い断崖上の「仙人ケ岳」に達する。通常はここが閼伽流山の頂上とみなされている。かつて、昭和の天皇陛下がまだ摂政宮であられた折に登山された場所とのことで、それを示す石碑がある。
普通の来訪者なら、これで下ってしまうことだろうが、我々「山登り」はそうはいかない。次いでそこから尾根を東にたどり、三角点を拝みに行く。さして時間も要さず到達。登山口からここまで1時間強。もっとも、そこはどうも最高点という訳でもなく、また周囲は樹林に覆われ展望もなく… 結局、そのあたりの最高点とおぼしきあたりを歩き回り、さらに近くにある戦国時代以前の山城址という峰(閼伽流山城址)にも参考のために上がってみた上で引き返した。山城址の峰には明らかに人為的な土塁が四角形に周囲を囲っており、素人目にもそこは山城址だと判る。なお、南原公平氏著『信州の城と古戦場』(令文社刊)によれば、ここの山城は南朝に献身した香坂氏の出たところとのことであり、本当であれば比較的歴史が古い城址といえる。
← 閼伽流山を望む(南西麓より)