1,169m峰(入山峠付近の三角点峰)
〜地図上無名とは思えぬ明るい展望の峰〜標高1,169m〜
軽井沢町近辺の地形図を眺めていると、碓氷バイパスの上信国境「入山峠」の南西約700mの地点に、1,169.1mの三角点がある峰が目につく。この峰、地図上は無名ながら、筆者には以前から碓氷バイパスを通行するたび(特に上州側から信州側に向けて進行する際)、どうも何とはなしに気になる峰であった。地形図上でも、頂上付近に崖の表示があるし、いかにも周囲の展望が良さそうに見える。となると… たとえ山名不詳の峰であっても、つい参考までに訪れてみたくなってしまうのだ。
それで… 筆者はある時点で実際にそこに訪問してみた。と… そこはまさに期待に違わず、とても地図上無名の峰とは信じられないほど、明るい展望の峰であった。眼下の軽井沢はもとより、その背景の浅間山方面、また南の大山方面など…! 全くもって、まさかこれほどの山に名前が全くないはずはあるまいと思うのだが、残念ながら現時点では不明ゆえ、当面やむなく表題のとおり紹介することとしたが、今後山名が判明した場合には書き換える予定であるので御了承願いたい。
さて、その峰に登るには、筆者の場合は碓氷バイパス「入山峠」の駐車スペースの信州寄りでフェンスが尽きた所の、道路管理用らしき機器が設置してある脇から樹林内に踏み込み、後は稜線上の踏跡をたどって登行した。急登を登り切って稜線上に到達した所で右(西)に進み、巨大な露岩を、最初のは左から、次のは右より巻き、最後に末端あたりで左へ、踏跡に従って露岩上に這い登ると、そこに四等三角点の標示プレートを見出すことができる。そこで得られる展望たるや前述の通り。一般にはここをもって、この峰の頂上とみなしてよいだろう。(注:というのは、非常に厳密な話をすれば、この地点よりわずかに高い真の最高点が付近の露岩上にあるが、そこは狭くて足場も悪く、あえてその上に攀じ登ることは安全上決して推奨できないからである。ここは金峰山の「五丈岩」とか鳳凰山の「オベリスク」等の例のごとく、あまり拘泥しない方が身のためだろう。少なくとも三角点プレートがある所までなら安全に上がれるし、また最高点とは大した標高差があるわけでもないので…)
なお、先に記した急登を登り切って稜線上に到達した所からは、右(西)だけでなく左(南東)にも踏跡があり、300mほど歩くと、地形図上三角点峰とほぼ同高度のピークに達するが、そのあたりからは、三角点峰では得られない妙義連峰方面の展望が樹間に得られるので、折角だからついでに立ち寄ってみるとよいだろう。そして、これら両峰に訪れるとしても、入山峠の駐車場所からの往復所要時間は、せいぜい2時間程度。
← 夕刻迫る岩峰(1,169m峰頂上の露岩上にて)