鷲ケ岳(わしがたけ)
〜かつて大鷲が棲み害をなしたという〜標高1,672m〜
別掲の大日ケ岳とは逆に、「蛭ケ野高原」の東側に位置する山。その名の通り、かつてこの山中には大鷲がいて近在の住民に害をなしたというが、武蔵権守こと藤原頼保がそれを退治したという故事が伝わっている。この話、この地方では結構有名な伝説らしく、鷲ケ岳の中腹には鷲退治の「顕彰堂」が建てられており、また山麓の村名も「高鷲村」となっていた(ただし、このたびの町村合併で高鷲村は「郡上市」となってしまい、今では同市の高鷲町という地名に変わっているが)。
筆者は実は、こういう伝説のある山が大好きで、話を聞くと是非その場に実際に行って、往時の情景に想いをめぐらしてみたくなる。黒姫伝説のある黒姫山然り、大蛇目撃談のある四国の剣山然り… むろん、大鷲伝説の鷲ケ岳もまた然り。
登山口までのアプローチは、「蛭ケ野高原」までは別掲の大日ケ岳の項を参照。さらにやや南へ進み、高鷲村から東へ「鷲ケ岳スキー場」方面への道に入り、登山口に通じる林道を探す。首尾良く「桑ケ谷林道」をつかまえられれば、鷲退治の顕彰堂まで結構近いへんまで何とか車で入れる。そこから頂上までは顕彰堂経由約2時間。頂上直下の最後の急登は結構キツい。しかしそれだけに、登りついた頂上の高度感は満点で、まるで自分自身が大鷲に変身したかのように周囲の雄大な展望を楽しめる。
← 鷲ケ岳を望む(鷲退治の「顕彰堂」前より)