人形山(にんぎょうさん)
 〜合掌集落で有名な五箇山の南の山〜標高1,726m〜
 この山の名の由来は、春先に山腹に現れる雪形のようだが、筆者は残念ながらまだそれを目にしたことはない。それよりも、この山の麓の五箇山は、世界遺産として知られる合掌造りの集落で知られており、筆者は人形山というと、まず第一にその特異でひなびた景観を思い出す。豪雪地帯の秘境にあって、営々と根づいてきた素朴な文化。そんな中、人形山をはじめとする周囲の奥深い山々は、この地方の人々の生活上、陰に陽に多大な影響を及ぼしてきたことだろう。そういえば、ある時、たまたま立ち寄った付近の食堂では、メニューに熊肉の丼があったのを思い出す。実際に食してみたら、案外筋が太くて大味だったが、それでも、この地方の人々の生活の中に、山は不可分なほどに確り組み込まれてきたのだという事実を、垣間見る思いだった。
 この山の登山口までのアプローチは、筆者の場合、上信越自動車道〜上越JCT〜北陸自動車道〜小矢部砺波JCT〜東海北陸自動車道〜福光IC〜五箇山、とたどり、登山口まで上がった。登山口からは鳥居のある「宮屋敷」経由頂上まで約2時間半。なお、この山の南東隣にすぐの地点に「三ケ辻山」(1,764m)という結構形の良い山があり、人形山より若干標高も高く、途中の分岐から1時間ほどで往復できるとのこと。もっとも筆者の場合、既に時間的にギリギリで、こちらへの訪問は断念せざるを得なかったが、いずれ訪れてみたい山である。

 ← 人形山を望む(「宮屋敷」より)

【緯度】362056 【経度】1365623