富士山(ふじさん/剣ケ峰白山岳)
 〜名実共に日本最高の峰〜標高3,776m(剣ケ峰)・3,756m(白山岳)〜
 この山に関しては、あえてコメントの必要もあるまいが… その美しいコニーデ状の山容から、古来より今日に至るまで賞されてきた、いわば我が日本のシンボル的存在である文句なしの名峰。日本第1位の標高も第2位の南アルプス北岳を大きく引き離し、独立峰ゆえの孤高さが一層際立つ感がある。もっともこの山、「登る」山というよりも「見る」山の典型のようなところがあり… 日本人たるもの、この山に「登るも馬鹿、登らぬも馬鹿」なのだとすれば、筆者が思うに、どうせなら前者の「馬鹿」でありたいもの。
 ちなみに「登るも馬鹿」の所以は、眺めて美しいこの山も、実際に訪れてみれば火山特有の荒涼とした意外と単調な山で、当初の予想に比していささか物足りなさを感じる点とか、また夏のシーズンには登山者が渋滞するほどの大混雑を来し、登山に来たのか人を見に来たのか判らぬというような状況がままある点などによるのだろうが… 少なくとも「人ごみ」の「馬鹿」をある程度避ける手はある。8月末の「山じまい」の後、雪が到来するまでの間、すなわち9月中頃に訪れれば、存外落ち着いた山行が楽しめるはずだ。筆者もこの手を採用した。もっとも、それでも結構人は多かったが…
 なお、この山は他の日本の山と比べると群を抜いた標高であるため、ペース配分の誤りや体調によっては高山病の危険があり、実際に筆者は途中でぶっ倒れている人達を何人も目撃したほどなので、日帰りの場合は特に注意されたいこと、及び前述の9月中に登る場合、筆者は頂上付近の岩に早くも氷柱が下がっているのを目撃したので、状況によってはかなり厳しいコンディションになる可能性があるという点、くれぐれも留意されたい。まあ、体調が万全で天候さえ良ければ、後はゆっくりすぎるほどのペースで登っていれば間違いないと考える。一部勘違いしている人種もいるようだが、レースじゃあるまいし、何でも速ければ偉いと思うのはとんでもない錯覚に過ぎない。
 さて、この山への登山道はいくつもあるが、筆者は富士宮口新五合目の登山口から富士宮口頂上経由、4時間強で最高点の「剣ケ峰」に登頂した。このルート、途中で宝永山の噴火口跡の一角も見られるし、単調な登りの中にも比較的変化がある方なのではないか? 剣ケ峰からは「白山岳」経由で御鉢巡りをして富士宮口頂上に戻ったが、この所要時間は剣ケ峰から約1時間も見ておけばよい。
 登山口までのアプローチは、中央自動車道大月JCTから御殿場方面に走り、「富士山スカイライン」をつかまえ富士宮口の新五合目まで上がる。なお、駐車場は混雑するので、できる限り朝早く上がった方がよいだろう。

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【緯度】352138 【経度】1384338