愛鷹山(あしたかやま/越前岳呼子岳蓬莱山)
 〜かつては富士山より高かった?〜標高1,504m(越前岳)・1,310m(呼子岳)・1,280m(蓬莱山)〜
 富士山の南東に位置する古い火山。今でこそ標高は1,500m台とさして高くもないが、かつては富士山以上の標高を誇る大火山だったともいわれる山。その昔、富士山との背比べで怒りを買い、頭を蹴飛ばされて低くなったとかいう、よくある筋の昔話も伝わっており… 思わず、神代の昔のこのあたりの情景などを想像させられてしまう。富士山、愛鷹山ともに火山だけに、それが広大な草原の中に噴煙をたなびかせていた頃のこの付近は、まさしく神の棲家のごとき情景を呈していたことだろう。
 現在この山は、既に火山活動は休止し、山体も崩壊が進行して連峰を形成していて、とても富士山より高かった山とは思えない。連峰中の最高点は「越前岳」で、この山に登るだけなら比較的登頂も容易。筆者は「十里木高原」の登山口から、約1時間半で登頂した。帰りは「呼子岳」、「割石峠」とたどり、峠からさらに「蓬莱山」を往復した後、「大山祗神社」に下り、車道を十里木まで歩いて戻ったが、越前岳から4時間強ほどの歩行で事足りた。なお、位置的に駿河湾の展望などが良かったが、期待した富士山は、樹木が邪魔したりして今一つすっきりした眺めとはいかなかった。また天候自体も小雪が舞ったり思わしくなく、割石峠がその名の通り本当に岩を割ったような景観でインパクトが強烈だったのを除けば、展望良好の呼子岳や蓬莱山も、曇天の灰色イメージで今一つ印象がフレッシュでなく終わってしまった。機会があれば再訪し、今度こそは晴天の下で心ゆくまで大展望を楽しみたいと思っている。
 登山口までのアプローチは、御殿場市までは前掲の富士山の場合と同様。そこから国道469号に入れば自然に十里木高原に至る。

 ← 愛鷹山・越前岳(呼子岳方面より)

【緯度】351417 【経度】1384738
(緯度・経度は越前岳に合わせてあります。呼子岳・蓬莱山はその南に位置しています。)