荒島岳(あらしまだけ)
〜「大野富士」と呼ばれる端正な名峰〜標高1,524m〜
この山、深田「日本百名山」の1峰に選定されている名峰だが、なぜか私の周囲の山仲間には、どうもあまり評判が良くない。実はそういう筆者自身も、この山を選ぶくらいなら、すぐ近くの経ケ岳とか能郷白山の方が、ずっと雰囲気が良いではないかと若干思っている。何でそうなるのか…? その謎に一応の回答を与えてくれたのが、深田クラブ選定『日本200名山』の、この山の項の記述内容だった。それによれば、現在この山の頂上に設置されているコンクリートの無線中継所の建物が雰囲気をぶち壊していることが、この山の評判が良くない主因だが、これは実は深田氏の没後に建てられたものだから、深田氏を責めるのは酷だというのだ。なるほどと納得。
確かに、その余計な建物を除けば、山中の美しいブナ林や、頂上近くの豪雪地特有の「偽高山」化した明るい雰囲気、頂上の素朴な小祠など、良い点はたくさんある。また、筆者が訪れた時はたまたま頂上で霧雨状態で、まるで展望がきかなかったが、もし晴天時に訪れていたなら、さらに筆者の印象も違ったものになっていただろう。いずれ再訪してみたいものだ(筆者注:もっともこの建物、その後撤去されたという噂を聞いたが、本当だろうか? もし真実なら、是非にも再訪して自身のこの山への印象を改めたいものだが…)。
この山の登山口までのアプローチは、北陸自動車道の福井ICから国道158号をたどる点は、別掲の経ケ岳の場合と同様。そのまま走っていけば、大野市勝原の登山口に到着する。登山口からは、「しゃくなげ平」「もちが壁」経由、3時間半程度で頂上着。
← 小祠(荒島岳頂上にて)