天城山(あまぎさん/万三郎岳万二郎岳)
 〜伊豆半島を代表する名山〜標高1,406m(万三郎岳)・1,294m(万二郎岳)〜
 名実共に伊豆半島第一の名山。この山に近い「天城峠」については、川端康成の『伊豆の踊子』や、松本清張の『天城越え』で有名のため、「天城山」といえば、その天城峠に近い山だと大体察しはつくが、肝心の山の方で筆者が第一に思い出すのは、実は小松左京の『日本沈没』で、日本沈没への予兆として、この山が真っ先に噴火する情景である(!)。いずれにせよ、全て文学及び映画がらみという所が妙。
 そんな先入観があるせいか、どんなに厳しい山かと思いきや、これが存外優しい山なのだ。「天城高原ゴルフ場」付近の駐車場から、「万二郎岳」経由で最高点の「万三郎岳」に至り、そこから北側山腹の巻き道に下りて周回して戻っても、せいぜい4時間程度も見ておけば十分という手軽さ。しかもその間、万二郎岳付近の露岩上からは富士山や太平洋が雄大に見渡せたり、万三郎岳への道の中途では、鬱蒼と生い茂るアセビの下を、まるでトンネルのように通過するなど、結構変化にも富む好コースである。それゆえ、筆者は長野県在住ながら、これまでに2度もここを訪れてしまったほどだ。もっとも2度目は日帰りではなかったが。
 登山口へのアプローチは、伊豆半島といえば、海岸沿いの道の渋滞のイメージがあるので、敬遠する向きもあるかも知れないが、実は箱根あたりから「芦ノ湖スカイライン」「伊豆スカイライン」をたどれば、さしたる渋滞もなく、自動的に登山口の天城高原ゴルフ場に達するので、存外楽。箱根までの経路は、中央自動車道大月JCTから御殿場方面に走り、国道138号を箱根方面に上がればよい。

 ← 天城山・万三郎岳(万二郎岳方面より)

【緯度】345146 【経度】1390006
(緯度・経度は万三郎岳に合わせてあります。万二郎岳はその東に位置しています。)