吉田山(よしだやま)
 〜歴史性と静寂さ兼備の好峰〜標高1,450m〜
 下伊那郡高森町の西にある目立たない山。この山への道は、東麓の山寺こと「燐政寺」から、中腹の「戒壇不動」をへて登る、歴史性と静寂さとを兼ね備えた好ルートなのだが、例によって登山者は少なそうだ。大体、吉田という、どこにでもいる人の苗字みたいな山名自体が災いしている。たまに地形図上で山名を目にしても、これでは瞬間的に印象に残るまい。実際、筆者も北西にある「本高森山」の名前は以前から知っていたが、吉田山の方は、実はつい最近まで知らなかった。
 しかし、有名無名はかならずしも、その山の価値を正確に反映するとは限らない。静かな山が好みの向きには、是非、一度登ってみてほしい山。登山ルートは前述の通り東麓の燐政寺から始まる。そこから戒壇不動経由頂上まで2時間弱。樹林に囲まれ展望は今一つだが、静寂の中にある好感の持てる山だ。

 ← 「戒壇不動」(吉田山中腹にて)

【緯度】353525 【経度】1375021