卯月山(うづきやま)
 〜地域生活と関わり深い素朴な峰〜標高1,102m〜
 飯田市天竜峡の東、上久堅の小野子集落あたりから登る山。山名の由来は本文記述時点で残念ながら筆者には不明だが、何か地域の年中行事と関わりありそうな印象を受ける。実際、登山口付近に林立する石碑などを見るにつけ、山麓の人々にとっては愛すべき身近な里山であることが知れる。特に「池鯉鮒大神」と刻まれた石碑は、少なくとも筆者はこれまで同銘のものを他所で目にしたことがなく、かつ、この地域の人々の生活臭をも強く感じさせられたという点で、大変珍しく興味深いものだった。
 登るには、冒頭に記した通り、小野子集落あたりから道があり、ほんの1時間前後で頂上に到達できるが、頂上直下まで行くと、案外立派な林道が通じているのに出会い、少々拍子抜けする。この林道は一般車通行可かどうかは確かめていないが、仮に頂上直下の登り口まで車で乗り入れられるとしたら、駐車後わずか数分で頂上に上がれてしまうことになる。が、それではあまりに味気ない。この地区の人々の生活に密着している素朴な山だけに、ここはやはり、多少の労苦は厭わず、下から歩いて登りたいもの。
 頂上からは、西に飯田市街方面などの展望良好。

 ← 卯月山(頂上直下の林道からの登り口より)

【緯度】352623 【経度】1375358