大見山(おおみやま)
 〜「蓼ノ海」湖畔にたたずむ優しい峰〜標高1,360m〜
 諏訪市の北部に位置し、上諏訪駅に近い立石町あたりから角間川沿いに霧ケ峰方面への車道をややさかのぼったあたりにある山。この山の北側には「蓼ノ海」という人造湖があり、以前はスケートで有名だったので、むしろそれでピンと来る向きも多いかも知れない。ちなみに筆者は、幼少の頃(幼稚園時代)を上諏訪あたりで過ごしたので、蓼ノ海といえばスケート場だと、うろ覚えに覚えている。もっとも、その後筆者が父の転勤のために長野市に移ってから、数年ほどでここのスケート場は閉鎖されたと聞いたが… 考えてみれば、当時は蓼ノ海どころか、諏訪湖でさえスケートができたのだ。それが最近では、厚く結氷することすら珍しくなってしまったのだから… まださして昔のことでもない気がするのだが、その間の変わりようはあまりに激しく… 幼少時代の思い出と結びついているだけに、何やら感無量なものを禁じ得ない。
 まあ、それはともかく… この山の登山口は、その蓼ノ海の湖畔から。ほんの30分ほども登れば難なく登頂可。頂上あたりには展望台があり、位置的に樹間に諏訪湖の俯瞰が素晴らしい。ここもまた、家族で訪れる軽登山には快適な場所といえよう。
 なお、宮坂武男氏著『図解 山城探訪 第1集 諏訪資料編』(長野日報社刊)では、この山が中世に物見あるいは狼煙台として利用されたのではないかと推論している。確かに「大見」という山名自体、物見を思わせるものがあるし、実際、頂上展望台からの眺望も上述のとおり優れていること等から、大いにその可能性はあるものと考える。

 ← 結氷した「蓼ノ海」(背景の山稜は大見山方面)

【緯度】360433 【経度】1380745