大泉山(おおいずみやま)
 〜隣の小泉山と対照的に静寂な雰囲気〜標高1,115m〜
 茅野市にある素朴な里山。別掲の小泉山のすぐ東に位置し、名前からして小泉山とは「兄弟」的な山といって決して差し支えはなかろう。実際、標高的にも雰囲気的にも小泉山によく似た感を受ける山だが、小泉山が近年地元の人々の尽力で大変良く整備され、付近住民の憩いの場となっているのに比べ、大泉山の方は、意外にもそれとは全く対照的な静寂な雰囲気を保っている。聞くところによると、この山では隣の小泉山と同様「火とぼし」の神事が行われるというのだが… それにしては筆者の訪問時点では特に登山口を示す標識もなく、頂上に祠も見当たらない。
 したがって、この山に登るには、標識頼みでなく自ら登り口を物色する必要があるが、筆者の場合は北西側の山麓の耕地の中の道路脇から、尾根に向けて上がっている道を見出したので、そこから登ってみた。このルート、やや薮がちで若干鬱陶しい箇所もあるものの、踏跡は明瞭だし、また登りの所要時間もさして長くなく、ほんの30〜40分もゆっくり登ると、難なく頂上に達する。頂上は前述の通り祠はおろか山名標示板すらなく、また周囲は樹林に囲まれ展望もなく、ただ三角点標石があるだけという地味な場所。
 なお、この山の西麓の豊平御作田集落付近に、尾根の縁に石鳥居が立っている箇所があって、ここもまた特に登山口を示す何の標識もないが、石鳥居をくぐって少し上がってみると、ほどなく赤く塗られた「穂見神社」の社殿があり、さらにその裏手に道が続いている。筆者はそれ以上、登って確かめる時間はなかったが、頂上付近からその方向に踏跡が分岐しているのは間違いないので、こちらからも登れることは確実だ。むしろ、筆者が登った道よりも、こちらの道の方を「表口」とみなすべきなのだろうが… こちらは付近に適当な駐車場所のないのがネック。

 ← 大泉山を望む(山麓の御作田集落付近より)

【緯度】360001 【経度】1381305