三界山(みつかいやま)
 〜その名の通り、市町村合併前は3市町村の境〜標高1,396m〜
 山名だけ見れば、特段の興味も惹かない単純な名前の山ながら、北麓の三峰川沿いあたりから望むと、意外と堂々たる姿を見せ、登行欲をそそる山。ちょうど伊那市・旧高遠町(現:伊那市)・旧長谷村(現:伊那市)の旧3市町村の境に位置しており、平成の市町村合併前は、地形図を見る度に、なるほど文字通りの「三界」だなと納得していたものだが… 今はそんな楽しみもなくなってしまった。とはいえ、東には美和ダム湖もあるので、今なお地理的には判りやすい地点に位置しているといえよう。
 が… そんな山の割には、実際に登ってみると、存外人気も少なく、頂上も樹林に囲まれてほとんど展望は得られず、細長い山稜の中に三角点標石がひっそりとたたずんでいるだけの、案外地味な場所。ただ、登行中に太い木の根方に山の神の石碑がみられ、山麓の人々の山に対する崇敬の念の痕跡を感じられるのと、注意していれば樹間に経ケ岳など中央アルプス方面の山々を望むことができるのが幸い。
 この山に登るには、北麓の小原集落あたりから林道を車で行ける所まで行き、そこから徒歩で沢沿いに稜線上まで登りつめ、さらに左へ山稜をたどる。駐車場所から頂上まで1時間程度で達する。

 ← 三界山を望む(北麓の伊那市側より)

【緯度】354744 【経度】1380330