笠松山(かさまつやま)
 〜かつて大平街道と結ぶ馬道が通じていた〜標高1,320m〜
 別掲の風越山の南に、松川を隔てて盛り上がる、ちょっと気になる山。風越山ほど山容の立派さはないが、麓から見上げると、頂上あたりに社叢のような樹林の固まりが望まれ、いかにも何かありそうだと心魅かれるのだ。
 で、早速登りに行ってみた。が… 国土地理院の地形図には道の記載もないことから、東麓の大原集落の上部の乗馬クラブあたりから、それらしい道を適当に見当をつけて沢沿いに登っていったら、例によって途中からあやしくなったため、やむなく砂防堰堤をいくつか乗り越えた後、右手の植林地の斜面に突入して尾根上に這い上がったら、そこでようやく本来の登山道を発見し、ほっと一息。実はこの道、「三十三番観音」の巡礼道になっており、筆者が這い上がった地点は、そのうちちょうど十番観音のあたり。またこの道、かつては大平街道と結ぶ重要な馬道だったといい、行くみちみち現れる観音様に一礼しつつ登ってゆくにつけ、そんな歴史の重みがひしひしと身に迫ってくるような気がする。
 それから先はしっかりした迷う心配もない道で、やがて石神や石塔が立ち並び、東方の展望が良好な頂上に到着。そこまでは途中道を誤ったせいもあり、山麓から2時間余も要したが、本来の登山道から登ればせいぜい1時間半くらいで登頂可能だろう。登山口は大原集落の上の乗馬クラブのあるへんに「笠松山三十三番観音」の立派な看板があるので、落ち着いて見出すがよい。さもないと、筆者みたいな目に遭うハメとなる。

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【緯度】353107 【経度】1374540