陣場形山(じんばがたやま/陣場形山狼煙台址)
 〜名の由来は諸説ある展望抜群の山〜標高1,445m〜
 飯島町の東の中川村にある山。この山の南麓には「陣場形牧場」があることから、頂上直下まで林道で車で入れ、前掲の高鳥谷山などと同様、ちょっと山の雰囲気を味わいたいような場合に、手っ取り早くて大変便利な山。
 また、その、どことなく興味を魅かれる山名は、三省堂の『日本山名事典』によれば、山名の由来について、戦国武将が陣立ての訓練をしたからとか、伊那谷から見ると陣羽織の後姿に似ているから等、諸説あるようだが、長野県教育委員会編『長野県の中世城館跡 分布調査報告書』には、ここが「陣場形山」の名そのままで城郭扱い(注:狼煙台)として収録されており、少なくとも戦国時代の軍事的な事象との関わりが深かった山であることだけは確かなようなので、陣立て訓練に由来したとの説にしろ陣羽織から連想したとの説にしろ、筆者のごとき素人にはいずれもそれらしく思えてしまい、如何とも判定し難い。(注:なお、この城郭名については、先の『長野県の中世城館跡 分布調査報告書』のみならず『長野県上伊那誌 歴史篇』も「陣場形山」としており、また『長野縣町村誌 南信篇』中「南向村」の項には特段の記載がない。然るに山名と城郭名とが全く同名というのも妙なので、本項では『長野県の中世城館跡 分布調査報告書』の城館跡一覧表の備考欄の記載から、便宜上当面「陣場形山
狼煙台址」として紹介した次第。なお、後日、より適当な呼称が見出せた場合は修正する。)
 この山に登るには、国土交通省の「小渋ダム」付近から「四徳川」沿いの道に入り、「折草峠」まで行って左折すれば、前述の通り頂上直下まで車で入れる。明るく開放的な頂上で、展望は西に中央アルプスはじめ素晴らしい。

 ← 陣場形山頂上にて(三角点付近)

【緯度】354026 【経度】1375900