父不見山(ててみずやま、又はててみえずやま)
〜山名は平将門の子の伝説に由来〜標高1,047m〜
山には、往々にして変わった名前の山があるものだが、この父不見山もそのひとつ。こんな名前の山は、ちょっと他にないだろう。変わっているだけならともかく、何やらエンギでもなさそうな山名ゆえ、筆者としても西上州近辺の山々の中では、比較的最近まで登り残してきた山。三省堂の『日本山名事典』によれば、平将門の子がこの山の頂上で父を偲び「父見えず」といったことが、その名の由来という。とすれば、一見地味そうな山ながら、意外な歴史性をはらんだ見逃し難い山だ。
筆者はこの山に登るのに、神流町(注:当時は町村合併前の万場町)側からのルートを採用した。上信越自動車道の藤岡ICから鬼石町経由で国道462号を飛び、神流川沿いの旧万場町の「元郷」集落あたりから南の山側に上がった。意外なことに山腹の結構懐深くまで林道が食い入っており、適当な所で山道に入って登り出したが、今はどんな状況になっているだろうか? 登るみちみち、後ろを振り返ると、樹間に別掲の西御荷鉾山や東御荷鉾山などの展望が良好。登りついた頂上は相変わらず潅木の中だが、筆者の訪問時には南面が植林後間もなく、比較的明るい雰囲気だった。駐車してから頂上まで、筆者の場合は約2時間を要した。
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