七面山(しちめんざん)
〜大崩壊が豪快な日蓮宗の聖地〜標高1,989m〜
この山で何といっても印象的なのは「七面ノガレ」という大崩壊地の豪快な景観だろう。筆者も噂には聞いていたが、いざ現実にそれを目の当たりにしたときは、実際、その大迫力に圧倒されてしまった。頂上付近からは富士山が見えるスポットもあるが、そんな展望など、大して印象に残らなかったくらい。
しかも、それほどの景観を拝みに、その気にさえなれば長野からでも日帰りで行けるのだ。この山の登山口まで筆者の場合のアプローチは、中央自動車道を山梨県の韮崎ICまで乗り、そこから国道52号を南下し身延町まで走り、登山口まで、というコース。国道52号は一般道の割には流れがよく、長時間ドライブも筆者にはさして苦にならなかった。
ただ、この山、身延山のいわば奥の院とあって、山中には日蓮宗信者の集団登山が多いという点は特筆しておきたい。筆者が訪れた時も、登行開始後、鳴り物をボンボン鳴らしながら「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経…」と唱えつつ登ってゆく集団に前途を結構長い間阻まれ、彼らの休憩中にやっと追い抜いたと思ったら、今度は反対に背後から「南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経…」と迫られるハメとなり… 結局「敬慎院」に上がるまでの約3時間の間、再度彼らに抜き返されるのがいやだったがために、途中ほとんど休憩も取れず、歯をギリギリ食いしばりながら苦しさに耐えつつ登り切らざるを得ない状況に陥った次第(どうも、筆者は「悟り」の境地にはほど遠いようで… いけませんねぇ…)。
もっとも、信者のほとんどは「敬慎院」止まりのため、そこから頂上までの間はほんの30〜40分ほどだが意外と静寂な雰囲気を楽しめる。以上、トータルでは登山口から休憩込みで4時間程度見ておけばよい。
← 「七面ノガレ」を望む(七面山にて)