羅漢寺山(らかんじやま)
 〜「昇仙峡」のシンボル的な奇岩峰〜標高1,058m〜
 山梨県の代表的観光地のひとつ「昇仙峡」のシンボル的な山。奇岩林立する同渓谷の頂点にあたるだけあって、当然最高点の「弥三郎岳」は特徴的な花崗岩の岩肌が露出した奇峰となっており、登りに先立ち一見すると多少不安が胸をかすめるが、いざ行ってみれば、花崗岩の岩肌は表面がザラザラで良くグリップが効き、ロープや鎖、手すり、階段など登山道の安全施設も良く整備されているので、余程下手な真似でもしない限りは、まず安全。頂上付近は露岩だけに四周の展望もきわめて良く、殊に奥秩父連峰の金峰山あたりや南アルプス連峰などがよい。
 この山に登るには、いくつかルートがあるようだが、昇仙峡側の「仙娥滝」付近から「昇仙峡ロープウェイ」を利用して「パノラマ台」まで上がってしまえば、後は「展望台」経由で最高点弥三郎岳まで徒歩ほんの15〜20分程度で登れてしまうという手軽さ。それゆえ筆者の場合、実は別掲の要害山に登った後の余り時間を利用して訪れた。「パノラマ台」は最高点ではないが、「山梨百名山」羅漢寺山の標柱はここに設置されている。ロープウェイ駅の付近は八雲神社や和合権現などがあるほか、売店や遊具もあって観光地化しているが、「パノラマ台」の名に恥じず、周囲の展望は最高点の弥三郎岳と同様に抜群。弥三郎岳の直下には酒の神様として信仰を集めている「弥三郎権現」の小祠があるが、脇の説明板によれば、昔、麓の羅漢寺に住んでいた弥三郎という酒造りの名人が、大酒飲みを住職に戒められ、一斗の酒を最後に断酒を誓った晩、この頂上から天狗になって消えてしまい、以来、酒の神様として信仰されているのだという。
 アプローチは、とにかく昇仙峡方面に車を走らせ、ロープウェイ駅を探せばよいだけなので、これ以上詳しく記す必要もあるまい。ただ、有数の観光地ゆえ、紅葉の時季など昇仙峡付近では渋滞を覚悟しておいた方がいい。

 ← 羅漢寺山最高点・弥三郎岳(「展望台」より)

【緯度】354450 【経度】1383335