小沢岳(おざわだけ)
〜「西上州のマッターホルン」と呼ぶ人も〜標高1,089m〜
こじんまりした山ながら、見る方向によって鋭利で特徴的な山容を見せ、結構存在感の強い西上州下仁田周辺の名峰のひとつ。山容ゆえに「西上州のマッターホルン」などと呼ばれることもあるが、さすがにこの例えは少々大袈裟? 実際に訪れてみると、見た目で想像したほどのスリルもなく、存外あっけなく登頂してしまう。頂上に石仏がまつられているあたり、マッターホルンどころか、きわめて日本的な山。
この山に登るには、これまで別掲してきた、いくつかの西上州の山々の場合と同様、上信越自動車道利用で下仁田ICで下りて登山口に向かうのがよい。下仁田の街中を西に抜けてすぐの「跡倉」の集落から南へ「青倉」方面へと向かう。ぐんぐん進み、「七久保」経由で「椚(くぬぎ)峠」あたりまでは車で上がれる。そこから、いよいよ徒歩で樹林の中の稜線を北上し、約1時間で頂上着。鋭峰の頂点だけに、展望はまずまず。前述のとおり、存外日本的な素朴な雰囲気の頂上で、いささか拍子抜けする向きもあるかも知れないが、そんなところがまた、浮世離れした景観を見せる割には人里近い、西上州の山らしいところと言えるかも知れない。
← 小沢岳の尖峰(青倉方面より)