日暮山(にっくらやま)
〜上信越道「日暮山トンネル」直上の峰〜標高1,207m〜
軽井沢町の南、上信国境からわずか上州寄りに入ったところにある山。上信越自動車道「八風山トンネル」を抜けてすぐに通過する「日暮山トンネル」で、その名だけは御存知の向きもあろうが、一般にはあまり知られていない山のようだ。なお、山名は一見ヒグレヤマと読めそうだが、『日本山名事典』(三省堂)によれば、正しくはニックラヤマ、別の呼び方としてはヒグラヤマ又はヒグラシヤマとある。
この山に登るには、国土地理院の地形図を見る限り、北東の「和美峠」から稜線伝いに進む道が記されているが、いざ峠に行ってみても、登山道らしきものも見当たらず、また標識もないので、どうも踏み込む気にならない。それで、筆者の場合は地形図で検討の結果、この山のすぐ北の別荘地の上端あたりが上信国境の稜線にほぼ接していることから、そのあたりから取り付き、後は稜線をしばしたどり、さらに上信国境から南に折れて登頂した。ここからなら、直線距離で頂上までほんの700〜800mほどで、時間的にも1時間もかからず登頂可能だが、問題は稜線への取付点が別荘地の中にあり、別荘地の入口にも関係者以外の通行は遠慮されたい旨の看板があることから、実のところ一般には決してお勧めできない状況だ。
そこで、より無難に取り付くとすれば、この山のすぐ北西のあたりで、別荘地の中を突っ切って延びる妙義荒船林道が上信国境の稜線をまたぐ地点があるので、そこから稜線を東に500mほどたどり、後は南に折れて登頂するという手が考えられる。こちらのルートは筆者自身は通過確認していないが、少なくとも上信国境から南に分岐する地点で見た限りでは、そちらの方向にも明瞭な踏跡が延びていたし、距離的にも短いので、仮に薮漕ぎになっても何とか通過は可能ではないか。近日、自身の目と足で確かめてみたいと思う。
いずれにせよ、少なくとも筆者のたどった稜線上には明瞭な踏跡があり、歩行面では特に心配はなかったが、ただルート中には目印テープ以外、特に登山道の標識は見当たらないので、上信国境稜線から南に離れる分岐点を見落とさないよう注意は必要。目指す日暮山の頂上へは、分岐からわずか下ってすぐ登り返す。時折岩稜をたどって最後に急登を登り切ると、いきなり眼前に「八海山神社」の石碑が姿を現すが、そこは既に頂上の一角で、展望も一気に開け、妙義連峰方面などの眺めが良好。三角点標石はそこからわずか灌木のトンネルをくぐり抜けた先にあり、脇には素朴な石祠や「御嶽山」の石碑が祀られ、こちらからはさらに樹間に八風山や物見山が比較的間近に望まれる。
← 日暮山を望む(軽井沢から下仁田への道の中途より)