根名草山(ねなぐさやま)
 〜日光白根山の北に位置する静寂の山〜標高2,330m〜
 筆者がこの山に関してまず思い出すのは、頂上まで後約1時間半程度の地点「念仏平」の非難小屋において死者を発見し(!)、通報するハメになったという一件である。その山行時は「金精峠」からの往復の行程中、徹頭徹尾1人の人にも出会わず、あえていえば唯一出会った人がその死者であった… それゆえ発見時の我が驚愕たるや… 今思い返しても背筋に寒気が走るほどのものがある。
 かく、この山は筆者にとっては、個人的に恐怖の思い出ばかりが強い山となってしまったが、そうした主観を排してこの山を評価する場合、特に「○○名山」とかいうハク付きの山ではないが、やはり1項設けるだけの価値が十分ある好峰と言わざるを得ない。筆者が特に評価するのは、この山の静寂さだ。有名な日光白根山と「金精峠」を隔てた北側という位置関係により、あまり目立たないことが幸いしているのだろう。
 登山口までのアプローチは、「金精峠」まで男体山の項を参照。「金精トンネル」を抜けたすぐ右手の駐車場に車を駐め、まずは金精峠に上がる。そこに鎮座する「金精神社」には、その名そのものの御神体がまつられているので、興味ある方は是非参拝されたい。次いで「湯泉岳」を右に巻き、「念仏平」経由頂上に至る。駐車場所から頂上までの所要時間約3時間半。頂上からは樹間越しに眼下の菅沼の眺めがよい。

 ← 「菅沼」俯瞰(根名草山頂上付近より)

【緯度】365031 【経度】1392328