南天山(なんてんやま)
 〜山名のイメージと裏腹に急峻〜標高1,483m〜
 何となく興味を抱かせ、かつ、どこか穏やかそうな先入観を抱かせる山名の山だが、実際のところは、山肌にルンゼを何本も走らせ、結構急峻な様相でもって筆者を迎えてくれた。
 筆者の場合、国道18号を南下し、小諸あたりで国道141号に入ってさらに南下、南佐久郡川上村から「三国峠」越えの延々と長い「中津川林道」を走った末、埼玉県中津川から「広河原沢」沿いの林道に入り、登山口に至った。もっともこちらからのルートは、今はどうか知らないが当時はややバリエーションルートに近く、登山口の標識もなく、もっぱら地図を頼りに登山道をつかまえて登った。首尾良く登山道を発見できさえすれば、頂上まで約2時間で達する。頂上からは、間近に両神山などの展望が良好。静かで落ち着いた、好感の持てる頂上だ。
 もっとも、この登山ルートをとる場合、中津川林道から分かれて広河原沢沿いに入る林道は、筆者は往路では気付かず進入したが、実は一般車通行止めだったらしく、帰りには中津川林道との分岐あたりで鎖が張られてあって、一瞬青くなった。もっともその時は、簡単に鎖を外して出られたから良かったが、いずれにせよ今も一般車通行止めかも知れないので、これから行かれる方には注意されたい。ただ、仮にそちらが通行止めだったとしても、昭文社の山岳地図によれば、この山には南の中津川林道側からも登山道があり、所要時間はプラス40分程度のようなので、日帰りには全く差し支えなかろう。
 ちなみに、筆者がここを訪れたのは10月11日で、実は前日の10日に北アルプスの焼岳に登りに行った帰り、上高地から沢渡まで延々車道歩きをやって足が棒になったばかりだった。ただ寝ていれば、足の筋肉が凝ってしまうと思い、軽い山登りでほぐす意図をもって訪れてみたのだが、実際には結構な急登で、いささかキツかった。もっとも幸い、足の方は結果的にさほど凝らずに済んだ次第。

 ← 南天山を望む(「広河原沢」沿い林道上部より)

【緯度】360040 【経度】1384650