妙義山(みょうぎさん/相馬岳天狗岳)
 ~スリルありすぎ、恐怖の名峰~標高1,104m(相馬岳)・1,084m(天狗岳)~
 山にもいろいろあるが、この妙義山ほど、スリルあふれる山も少ないだろう。筆者は一度行って、ほとほと懲りた。実際、私にとって、これほど恐ろしかった山は他にない。それも、当初予定したルートからは歯が立たず、急遽別ルートに回り、からくも登頂に成功したという次第。
 山麓までのアプローチは判り易い。国道18号を行き碓氷峠を越え、横川方面に下れば、もうあの特徴あるギザギザの岩峰が現れるから、後は裏妙義と表妙義を間違えないように気を付け(ここでいう妙義山は表妙義の方だ)、登山口の「妙義神社」まで車を走らせる。
 それから筆者は、まず「白雲山」へのルートに入り、「奥ノ院」という所までは進んだ。が、そのすぐ先の、垂直に近い長い鎖場を、どうしても通過できなかった。理由は、緊張の余りゆえか、掌が汗ばみ、鎖を握って体重をかけても滑ってしまい、危険を感じたため。
 やむなく、そこからトラバースルートを経由して「第一見晴」に抜け、妙義中間道から比較的安全な「タルワキ沢」上部のルートを「タルワキ沢のコル」まで登りつめたが、その道でさえも、途中遭難碑はあるわ、若干オーバーハングした背丈以上もある岩を乗り越えたりする箇所はあるわと、下りのことが気になって足がすくむ思い。
 そんなこんなで、ともかくも天狗岳と表妙義最高点の相馬岳の頂をきわめ、全行程で約5時間程度の歩行の末、無事妙義神社に戻ったが、その間だけで、全く寿命が10年以上も縮まったような思いだった。
 いずれにせよ、君子危うきに近寄らず。筆者はもう二度と登るつもりはないが、本コーナーへの訪問者の中には私より身の軽い方々も多かろうから、とりあえず掲載。実際に行かれる向きには、十分に注意して登られたい。

 ← 表妙義の岩峰(裏妙義・谷急山方面より)

【緯度】361755 【経度】1384455