本白根山(もとしらねさん)
 〜短時間ながら変化に富む好峰〜標高2,171m〜
 本コーナー「信州以外の山岳日帰りの旅」の中では、最も筆者の自宅から近い山。長野市から須坂市経由、高山村「上信スカイライン」を万座温泉へと駆け上がり、志賀草津ルートと合流して草津白根山湯釜への駐車場前へ。弓池の脇から右へ分かれる道を入ると登山口に着く。この間、早ければほんの1時間程度のドライブで済むので、筆者は他に行く山がない時は、しばしばここを訪れる。
 しかも、比較的短時間の歩行で済む割に、月面世界を髣髴させる噴火口跡の数々や、氷河時代の遺物という「鏡池」の亀甲状土など、行くみちみち現れる景観が実に変化に富んでいる上に、時期さえ合えば、美しいシャクナゲやコマクサの群落に出会えるという、珠玉のような存在の山なのだ。幸い、通常の観光客の多くは、有名な湯釜の方に気をとられ、すぐ近くにある本白根山の方には気が付かないらしい。いつまでもこのままの状況で… と望むのは、私だけではあるまい。
 登山口からは、周回ルートをとれる。一回りに要する時間はほんの2時間程度。ちなみに、付近では以前、火山性ガスによる遭難事故が発生したことから、三角点のある真の頂上へは残念ながら現在立入禁止となっており、周回ルート中、火口壁上の「展望台」と称するピークが通常頂上とみなされている。
 下山後、時間があったら湯釜にも訪れるとよい。なお、湯釜の西の地蔵岳(2,150m)には、以前は「山田峠」からほんの15〜20分ほどで登れたが、今ではこれまた火山性ガスの危険により、残念ながら立入禁止となってしまっている。

 ← 本白根山の噴火口(同山中最大規模のもの)

【緯度】363706 【経度】1383140