櫛形山(くしがたやま/奥仙重)・裸山(はだかやま)
 〜アヤメの大群生地として有名〜標高2,052m(櫛形山)・2,003m(裸山)〜
 甲府盆地の西に鈍重な姿で鎮座する山。その姿は、確かに山名のとおり櫛を立てた形に良く似ている。
 この山中で筆者が特に印象に残ったのは、まるで網でもかぶせられているのかと見紛うほど「サルオガセ」(寄生植物の一種)が大繁殖したカラマツの樹林を目にしたことだった。筆者はこれまで後にも先にも、あれほどサルオガセの密生している林に出会ったことがない。今もまだ、あの時のままだとすれば、それだけでも一見の価値はあるように思う。
 登山口までのアプローチは、筆者は中央自動車道の韮崎ICから、国道52号に入って登山口を目指すルートをとったが、長野からはこれが順路だろう。この山の東山腹を巻くように「櫛形山林道」が通じている。登山道はいくつもあるが、筆者は「中尾根」ルートをとった。林道脇の登山口から祠のあるキャンプ場まで突き上げ、次いで「バラボタン平」経由で「奥仙重」と呼ばれる最高点の頂上へ。ここまで約2時間半。
 帰りは、稜線伝いに「裸山」を往復し、元来た道を駐車場所まで戻った。ちなみに裸山の直下はアヤメの大群生地とのことであったが、筆者が訪れた時は時期外れで、残念ながら地元が「日本一」と称し、田中澄江も愛してやまなかったという、その花の美しさを目にすることはできなかった。

 ← 櫛形山・奥仙重(「裸山」より)

【緯度】353512 【経度】1382209
(緯度・経度は奥仙重に合わせてあります。裸山はその北に位置しています。)