草津白根山(くさつしらねさん/地蔵岳)・逢ノ峰(あいのみね)
 〜「湯釜」の情景で有名な活火山〜標高2,160m(地蔵岳)・2,110m(逢ノ峰)〜
 草津白根山は、今や観光旅行や学校登山でおなじみ、あの特徴的な噴火口湖「湯釜」の情景で有名すぎるくらい有名な山。が… 筆者は当初、この山の掲載を躊躇していた。というのは… この山、最高点は地蔵岳2,160mであり、以前は山田峠から15〜20分で至極手軽に登れ、筆者も幾度となく訪れたものであったが、今では硫化水素ガスの噴気口が付近にあり危険なため、登山禁止になってしまっているからだ。
 もっとも、草津白根山の頂上としては、『日本百名山』の深田久弥氏も言っているように、別掲の本白根山とすべきかも知れず、日本山岳会選定の日本300名山でも、本白根山を採り上げていることなどから、筆者も当初は本白根山のみを掲載していた。しかし、やはりそれでは、どうも画竜点睛を欠く感を少なからず禁じ得ず。草津白根山のシンボルは、良かれ悪しかれ、あの湯釜の荒涼たる情景であるのだから、なおさらのこと。
 それで再考の結果、地蔵岳は立入禁止でも、湯釜の縁までは依然として立入可能だし、信州東信エリアに掲載した浅間山のような例もあることから、今回あえてここに掲載することとした次第。あるいは、また最高点への立入禁止が解除される日も来るかも知れないし… しかし、本項を御覧になられた方には、たとえ15〜20分程度の山であっても、禁止が解除にならないうちは、絶対に禁を犯して立ち入ってはならない。この山域では、過去幾度となく硫化水素ガスによる遭難が生じており、最近では同種の遭難として、東北の八甲田山とか安達太良山の事例も記憶に新しい。
 しかし、ただ湯釜の縁に行くだけでは物足りないという方々のために、お誂え向きの山がある。それが逢ノ峰。この山、草津白根山とは志賀草津ルートを隔てて相対峙する一見目立たぬ山ながら、弓池湿原の脇から登山道が上がっていて、大きい東屋のある頂上までの所要時間は地蔵岳同様15〜20分程度という手軽さ、さらに結構周囲の展望も良い明るい峰で、こじんまりした山の割には充実度が高く、地蔵岳に登れない悔しさを晴らしてくれること請け合いだからだ。草津白根山湯釜の方は夏季のシーズン中は大混雑するため、その喧騒を避けるという意味でも好適。もっとも、かくいう筆者は、実のところ湯釜や本白根山の方にばかり気をとられ、逢ノ峰への訪問は大分遅れてしまったのだが、その真価を知りえた今、かくも手軽な山でありながら、これまで時間が余っていても同峰に訪れてこなかったことを大いに後悔している。

 ← 荒涼とした「湯釜」の情景(草津白根山噴火口)

【緯度】363838 【経度】1383140
(緯度・経度は地蔵岳に合わせてあります。逢ノ峰はその南に位置しています。)