鹿岳(かなたけ)
 〜カシューナッツに例えられる岩峰〜標高1,010m〜
 西上州の山々を世に広く紹介するきっかけとなった立役者の一つに、昭文社の山と高原地図『西上州・妙義』(内田^一氏調査執筆)がある。筆者はこれがお気に入りで、使いこんでしわだらけになった今も宝物のように大事にしており、かつ毎年のように西上州のどこかの山行に際して持ち出しては参照している。その地図に添付のガイド小冊子に、この鹿岳が「カシューナッツのような岩峰」と表現されている。筆者は、同山の特徴ある岩峰を目にするにつけ、なるほど、これに勝る例えは他に決してあるまいと、いつも感心している。
 カシューナッツを仰向けに据えたような格好だから、当然、頂上部は2峰存在する。「一ノ岳」と「二ノ岳」で、後者が最高点。岩峰だけに、頂上からの展望は素晴らしい。
 登山口までのアプローチは、上信越自動車道下仁田ICまでは他の下仁田周辺の山々と同様。下仁田町から南牧村方面に走り、「小沢橋」を渡って「大塩沢川」沿いの道に入る。「下高原」の集落に入ると、右手に登山口を見出す。付近に地元の人の迷惑にならないように注意して駐車し、登行開始。民家の脇から登り始めるあたりは、いかにもこの地方の山らしく素朴でよい。まずは一ノ岳と二ノ岳間の鞍部に突き上げる。登山口からここまで約1時間。そこから一ノ岳の往復に約20分、さらに二ノ岳へ片道約20分。二ノ岳への登りでは木梯子を伝ったりするが、やや危険なので注意。下りは元来た道を戻るよりは、北西の「木々岩峠」への稜線をたどって下る周回ルートをとるのが面白いだろう。

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【緯度】361222 【経度】1384328