檜沢岳(ひさわたけ)
 〜西上州の魅力が凝縮されたような山〜標高1,133m〜
 数ある西上州エリアの山々の中でも、筆者が最も好みの山のひとつ。別掲の小沢岳とは「椚峠」を隔てて隣接する山だが、小沢岳が山容の割には比較的淡白な印象の山なのに対し、こちら檜沢岳はといえば、落葉の中のか細い踏み跡をたどる道、急峻な岩稜、地元の人々の素朴な信仰を物語る頂上の祠など、なかなか変化にあふれる、いわば西上州の山の魅力が凝縮されたような山。
 そんな素晴らしい山ながら、筆者が訪れた際には標識もなく、当初は登山口もよく判らず、地形図を頼りに適当に見当をつけて登るハメになった。もっとも、頂上よりやや椚峠寄りの稜線上に飛び出て事なきを得たが… 道が不明でも、攻めれば何とか登れてしまうあたりも、また人里近い西上州の山らしいところ。
 この山の登山口へのアプローチは、別掲のいくつかの西上州の山々の場合と同様、上信越自動車道利用、下仁田ICから下仁田の街中を抜けていくが、小沢岳登山口の椚峠方面への道には入らず、さらに南牧村方面に車を走らせ、鹿岳や四ツ又山への分岐の小沢橋より2qほど南西に走ったあたりの「磐戸」の集落から南へ、「檜(桧)沢川」沿いに「根草」集落方面へと入る。「大森橋」という橋まで入ったら、そのへんから左へ、桧沢川源流の沢の左岸沿いに上がる細い林道に入ると、そのうち左手の法面を、沢に下れるように意識的に切ってある箇所を見出す。そこが登山口。沢を渡渉して対岸の斜面の中に続く踏み跡をたどり、1時間強で頂上。前述の通り、祠がまつられている素朴で落ち着いた場所だ。秋に訪れれば、さらに周囲の紅葉が大いに目を楽しませてくれることだろう。

 ← 檜沢岳(「御荷鉾スーパー林道」下より)

【緯度】360842 【経度】1384504
(桧沢の北東の1,133.3m三角点ピークが檜沢岳です。)