飛龍山(ひりゅうざん)
〜「奥秩父」のイメージそのもの、静寂の山〜標高2,077m〜
雲取山の西にある、黒木に覆われたヴォリュームあふれる山。登山口までのアプローチや、登山口から頂上までの所要時間は雲取山とほぼ同様ながら、筆者が訪れた時の印象では、雲取山に比して来訪者が少ないように感じられた(山麓の「三条ノ湯」は結構な賑わいを見せていたにもかかわらず、実際に飛龍山方面に登っていって出会った人は5人程度だった)。今はどうだろうか?
頂上付近の雰囲気は、落ち着いて静寂そのものだった。昼なお暗い針葉樹林に、シャクナゲの薮。かつての幽玄な魅力を失ったと言われて久しい奥秩父山群の中で、白石山(和名倉山)や小川山と並んで、往時の雰囲気をわずかながらとどめている山の一つではないかという印象を筆者は受けたが、どんなものだろうか?
登山口までのアプローチは、筆者は「後山林道」終点まで別掲の雲取山と全く同じ経路をとった。そこから徒歩で「三条ノ湯」から先は雲取山方面と道が分かれる。右へ行くと雲取山だが、飛龍山には左へ。ぐんぐん登り「北天のタル」から稜線伝いに一投足で「飛龍権現」という、ひなびた小祠に至った。頂上はその背後に上がる道をわずかたどった所。登山口から頂上まで約3時間を要した。
← 「飛龍権現」の小祠(飛龍山肩にて)