不動山(ふどうやま)
 〜「苔不動尊」の荘厳・幽玄な雰囲気〜標高549m〜
 埼玉県本庄市と、秩父郡長瀞町との境にある山。その名の通り、山中には「苔不動尊」なる不動明王が安置されており、実際それが山名の所以であろう。一見地味なようでいて、その実、きわめて荘厳・幽玄な雰囲気を内在している山といえる。また、山腹に通じている林道は「長瀞八景」の一つとして「間瀬峠と陣見山のビューライン」と名付けられており、近隣住民の憩いの場としても格好の山域であるようだ。
 この山へのアプローチは、関越自動車道「花園IC」から国道140号線を西へ、寄居町経由で長瀞町に向かい、長瀞町役場より1kmほど北の地点で右折して、まずは「間瀬峠」に上がる。峠のすぐ先で左へ「陣見山林道」という林道に入り、しばらく進むと、やがて道は右に急カーブしながら稜線上に飛び出るが、ちょうどその地点で、左の稜線伝いに小道が延びている。ここが登り口。
 付近の道脇に他車の邪魔にならないよう注意して駐車し、小道をたどると、さして時間もかからぬうちに頂上の三角点に達する。そこには三角点標石と朽ちかけた道標、また筆者が訪れた際には、修験者奉納の木札が木の伐株に取り付けられていた。頂上自体は樹林に囲まれ展望はないが、駐車場所付近からは、はるか北西方向に白煙たなびく浅間山の流麗な姿を望める。
 駐車場所に戻ったら、折角だから上述の「苔不動尊」も訪れてみたい。長瀞八景「間瀬峠と陣見山のビューライン」の看板の右に「苔不動尊入口」という標識があるので、そこから急な道をロープ伝いにわずかに下ると、ほどなく山腹の断崖に囲まれた一角に「苔不動尊」が安置されているのを見出せる。

 ← 「苔不動尊」のある一角(不動山中にて)

【緯度】360816 【経度】1390544