石尊山(せきそんさん)・戸谷山(とややま)
 〜新幹線「安中榛名」駅背後の佳き峰々〜標高571m(石尊山)・標高605m(戸谷山)〜
 群馬県高崎市と安中市との境にある山々。新幹線「安中榛名」駅の背後(北〜北西)に位置し、車道も同駅の東寄りを横切るようにして登り口まで通じているので、アプローチは上信越自動車道「松井田妙義IC」あたりから、まずは新幹線「安中榛名」駅を目指して走るのが最もわかりやすいだろう。同駅に到着したら、後はその背後の車道を上がれば、それぞれ登り口の標識を見出すことができる。
 まずは「ぐんま百名山」にも選定されている「石尊山」に訪れてみよう。「安中榛名」駅の裏手の車道を北西に向けて走ると、ほどなく「石尊山遊歩道」の標識のある場所に達する。そこに駐車し、標識の脇から木階段が付けられた急な道に踏み込み、路傍の石仏や石祠を時折目にしながら20〜30分ほども登りつめると頂上に達する。そこは名が示す通り石尊信仰(注:丹沢山塊の一角に位置する「大山」頂上に祀られている「阿夫利神社」=「石尊社」から、主に関東地方や信州にかけて広まった信仰で、「石尊」の名を付した山や石碑等が多くみられる。)の地で、多くの石祠が鎮座している。周囲は樹林に覆われ、展望は思ったほど良くないが、その分、下界とは隔絶された、いかにも信仰の地といったたたずまいの場所。三角点標石は、ここではまるで「場違い」だとばかり、脇に追いやられて頂上手前の片隅にぽつんと埋設されている。
 しばし、その場の雰囲気を楽しんだら、一旦、駐車場所まで下り、次いで「戸谷山」へ。車道を「風戸峠」まで上がり、そこにある標識に導かれて山稜上の道をたどる。時間的には「風戸峠」からほんの20〜30分で、テレビ局の中継局施設が設置されている頂上三角点に着く。こちらは先刻の石尊山とは対照的に明るくて展望的に優れており、西に浅間山の流麗な姿を筆頭に、北に榛名山、南に妙義山、そして東には先刻訪れたばかりの石尊山と、このあたりの主だった山々を良好に望むことができる。標高的にも先刻の石尊山より高いし、なぜ、この山が「ぐんま百名山」に選ばれなかったのかと不思議に思われるほどだが、おそらくは頂上に設置されているテレビ局の中継局施設が「山」としては景観的に違和感があることと、その有する歴史性の差(この点に関しては、当然、石尊山の方が格段に深い。)が総合的に考慮された結果なのであろう。

 ← 石尊山を望む(戸谷山頂上付近より)

【緯度】362214 【経度】1385036
(緯度・経度は石尊山に合わせてあります。戸谷山はその西に位置しています。)