米子山(よなごやま)
 〜寂峰ながら見逃し難い存在感〜標高1,404m〜
 須坂市の米子集落の東奥にある寂峰。別掲の「高山」「よしの山」とは尾根続きで、高山のさらに東約1.5kmに位置している。例によって登山の対象としては、ほとんど語られることもない一見地味な山ながら、先の高山よりさらに250m余り高いせいか、須坂市の八町〜亀倉あたりからよく見ると、高山の右奥に意外と堂々とした山容を見せており、筆者のような寂峰趣味の者には実に見逃し難い山。
 この山に登るには、別掲の「高山」「よしの山」の場合と同様「栃平林道」を利用してアプローチするのが適当だが、この山の場合、高山などと比べると、やや手強い。ルート的には、高山などへの登り口の地点から「栃平林道」をさらに東に3kmほどたどったへんで、米子山から西に延びる尾根上を林道が横切る地点から取り付き、そこから尾根をたどって頂上まで登りつめるルートか、又はそれよりさらに1kmほど林道を先に進み、米子山のすぐ北東で林道が左に大きくカーブしている地点から取り付くルートが考えられようが、前者の場合は比較的傾斜が緩い代り、途中から踏跡もほとんどない鬱陶しい熊笹の薮漕ぎとなるし、後者の場合は最短距離で熊笹も少ない代り、結構な急登を登り切らねばならないといった具合で、どちらを採るにしても一長一短がある。ちなみに筆者の場合は前者を登り、後者を下って、駐車場所に戻るまで全行程約2時間を要した。前者は途中までは昔の道形らしきものが認められるものの、途中からは前述の通り鬱陶しい笹の薮漕ぎとなる。率直な感想では、多少急でも熊笹のラッセルをほとんどしなくて済む分、一般には後者を登下降に用いる方が無難だろう。とはいえ、明瞭な道も踏跡もあるわけではないので、適切なルートファインディングが必要不可欠になってくるが、もし仮に迷っても、とにかく北に下りさえすれば必ず栃平林道にぶつかるので気は楽。
 いずれのルートを採るにせよ、標識の類は皆無に等しいが、頂上には三角点標石があるので判定を誤ることはない。なお、筆者が訪れたのは6月上旬だったが、熊笹の薮との格闘の末、ようやく頂上に達してみると、そこに清楚なツマトリソウの白く鮮やかな花々が出迎えてくれたのが、大変印象的だった(それも、何故か頂上でしか目につかなかったのだ。まるで登頂者への心尽くしででもあるかのごとく…)。

 ← 米子山を望む(右奥/左手前は高山/須坂市亀倉付近より)

【緯度】363633 【経度】1382318
(明瞭な道はありませんので、後はルートの選択次第です。)