奇妙山(きみょうざん/米子)
 〜上部は道なき歴史性豊かな山〜標高1,629m〜
 須坂市から、有名な「米子瀑布」へと通じる「林道米子線」を行くと、そのうち左手に、頂上直下に結構立派な岩壁を巡らした山が見えてくる。これが奇妙山。同じ北信地域で、長野市松代にある同名の山と区別するため、見出しには混同を避ける意味で山名の後に所在地名を付して紹介している。(注:当初は他との区別の便宜上、山名の前に所在地名を冠し「米子奇妙山」として紹介していたが、本来の山名でない呼称が流布するのは好ましくないと思われたため、上記のような紹介方法に改めた。)
 江戸時代、国定忠治が上州から信州への逃避行の途次、大笹街道の関所を避けてこの山を越えたというが、本当だろうか? もっともそれが仮に事実でなかったとしても、少なくとも歴史性のある山であることだけは確か。というのは、この山の中腹に「奇妙山平」という一角があるが、そこには信仰の遺物の石仏や石塔などが多く見られるからだ。これを見るだけでも、この山に登る価値は十分あろう。
 この山に登るには、前述の通り林道米子線を行き、米子川を右岸に渡った先の一般車通行止めの森林管理署専用林道を歩き、奇妙山平へ。そこから先は特に登山道はないが、奇妙山平の裏手の案外歩きやすい笹の斜面を上がり、稜線上に出たら左にわずかで頂上。森林管理署林道入口から頂上まで約2時間。頂上は平坦で笹薮の中だが、付近を適当にかき分けて探せば、三角点標石を見出すことも可能。

 ← 奇妙山の岩壁(林道米子線より)

【緯度】363448 【経度】1382416★