矢筒山(やづつやま/矢筒城址)
 〜旧牟礼村中心部近くの小高い丘状の山〜標高567m〜
 今は合併で飯綱町となった旧牟礼村の中心部近くに位置する、小高い丘状の山で、例によって戦国時代の山城址(矢筒城址)がある山。一見優しい山容のようながら、その実、北面は鳥居川の支流八蛇川に面していて、結構要害堅固そうである。
 この山に登るには、JR牟礼駅前を西へ進み「飯綱病院」方面へと車を走らせれば、すぐに登り口を見出せる。登り口からわずか歩けば、すぐに明瞭な郭の形状が現れ、その縁には石積の遺構や素朴な石祠などがみられる。さらに郭が段状をなしている斜面を左に見つつ歩道を進むと、ほんの10〜15分ほどで結構広い頂上本郭址に達する。周囲には円状に明瞭な郭の痕跡があり、往時の模様が偲ばれるが、実際のところ、ここには特に実戦とか落城の歴史はないらしく、その代わり、頂上本郭址の中央の一段高い土盛り(往時の物見櫓の址?)の上には、先の戦争における地元戦没者慰霊の「平和観音」や「忠魂碑」などがあって一種厳粛な雰囲気をなしており… 傍らに東屋があるとはいえ、やはり多少の緊張感は禁じ得ない。

 ← 矢筒山を望む(西側山麓より)

【緯度】364458 【経度】1381401