虚空蔵山(こくぞうさん/高野)
 〜名勝「久米路橋」のすぐ南の寂峰〜標高873m〜
 長野市信更町高野集落の背景をなす寂峰。長野県歌ともいうべき名歌「信濃の国」の4番に歌いこまれた名勝「久米路橋」のほぼ真南、わずか1km少々の所に位置している山なのにもかかわらず、この山の存在に気付く人はほとんどない模様。「虚空蔵山」という名の山は各所にあるが、ここ長野市信更町高野のそれは、特に目立たない部類だろう。まあ、実際に訪れてみても、道らしい道があるわけでもなく、頂上も樹林の中で展望不良、三角点標石以外、特に取り立てて言うほどのものもないという地味な山ゆえ、無理もないかも知れないが。なお、同名の山が同じ信更町の湧池の東にあって紛らわしいので、見出しには混同を避ける意味で、山名の後に所在地名を付して紹介している。
 この山に登るには、犀川に面した北側の急斜面よりは、やはり南の高野集落あたりからが順路だろう。同集落にある「明高神社」の前あたりに駐車し、神社から少し西に車道を歩いたへんから、右手に上がる道に折れて登っていくと、そのうち虚空蔵山のすぐ西の肩の農地に達する。ここまでは細いながらコンクリート舗装されているので、車で乗り入れることも可能だろうが、何分道幅が狭く、地元の方々に迷惑をかけてもいけないので、やはり神社から歩いた方が無難だろう。車道終点からは右(東)へ、薮がちな樹林の中に適当に踏跡を拾いつつ行くと、ほどなく右に回り込むようにして頂上に達する。そこは前述の通り、樹林の中で展望不良、三角点標石があるだけの地味な頂だが、それでも注意していれば、頂上近くの樹間から、北アルプス白馬連峰あたりが何とか望まれる。明高神社から頂上までの往復所要時間は、ノンビリ歩いても1時間程度。

 ← 夕映えの虚空蔵山(長野市信更町高野集落付近より)

【緯度】363320 【経度】1380211