竜王山(りゅうおうさん)・小竜王(こりゅうおう)
 〜スキーで有名だが湿原も存在〜標高1,930m(竜王山)・1,900m(小竜王)〜
 北志賀にある、山というよりはスキー場で有名な山。志賀高原に多い竜の伝説と関係ありそうな山名だが、現在ではスキーヤーならリフトで歩かずして頂上まで上がれてしまう有様。そのせいか、この山の頂上付近に小規模ながら湿原があるということは、別掲の焼額山の稚児池湿原と同様、案外知られていないようだ。筆者はたまたまスキーができないので、必然的に全く雪のない季節にここを訪れることになったが、その代わり、ミズバショウ、リュウキンカ、ミツバオウレンなど、積雪期には決して見られぬ山の花々の数々に出会うことができた。
 ところでこの山、大抵の図書には標高1,900mと記載されているが、いざリフト終点である頂上に訪れてみると、現地の案内板にはやや高い1,930mの標高が記してある。この違いは何かといえば、1,900mは実は三角点のある峰の標高で、国土地理院の地図上もこちらを竜王山としているが、現地の案内板等では、そのすぐ北東の30mほど高いリフト終点の方の峰を竜王山とし、三角点ピークの方は「小竜王」と称しているからだ。
 どうも紛らわしいが、こういう場合は両峰併せて登ってしまえば一気に問題解決だ。アプローチには160人以上も乗れるという巨大な「竜王ロープウェイ」が利用でき、労せずして1,700m以上の地点まで達してしまうので、後は両峰をノンビリ往復すればよい。ロープウェイ山頂駅から、リフト終点峰までは片道1時間弱、また三角点峰までは片道40分程度。例の湿原はリフト終点峰への道の途中にある。両峰訪れても半日あれば十分だが、筆者の訪問時の感想では、どうも全山にわたり熊の気配を色濃く感じたので、鈴を鳴らすなど相応の対策はとっていった方がよいだろう。

 ← 竜王山三角点峰「小竜王」を望む(竜王ロープウェイ山頂駅寄り稜線上より)

【緯度】364559 【経度】1382912
(緯度・経度は現地名称「小竜王」に合わせてあります。竜王山はその北東の1,930m等高線の峰です。)