霊仙寺山(れいせんじやま)
 〜飯縄山の東に連なる静寂の山〜標高1,875m〜
 筆者がこの山に登ったのは、実はかなり以前の話で、まだ高校時代、この山の麓の「霊仙寺湖」畔でクラスコンパがあった翌日、また牟礼の駅まで下りて電車に乗って帰るのが何となく億劫だったので、にわかにこの山から飯縄山に縦走して「一ノ鳥居」に下り、バスで長野市に戻るという手を思いついたことからだった。霊仙寺山は飯縄山のすぐ東、楽に回って下りられるに違いない。筆者は早速他のクラスメートに声を掛けてみたが、誰一人としてついてくる者はなく、仕方なしに自分一人でこの計画を実行することにした。ところが… 実際には、それほど甘くなかった。
 霊仙寺の集落からてくてく登山口まで歩き、いよいよ東の尾根伝いに登り出した。道はいささか単調ながら、途中マムシに出会ったりしつつ、登山口から2時間半ほどで展望の良い頂上に到着。ここまでは順調だった。次の目標飯縄山はもう間近、頂上に動く登山者の姿まで見える。
 ところが… それからがいけなかった。飯縄山への道が深い薮の中で皆目判らなかったのだ。今なら適当に見当をつけてヤブコギに突入するところだが、当時の筆者は単独でもあり、まだその勇気がなかった。しばし右往左往したが、らちがあかず、結局元来た道を戻り、牟礼の駅から電車で長野に帰るハメに。その後訪れていないが、今は両山間の道はどんな状況になっているだろうか?

 ← 霊仙寺山方面を望む(冬の飯縄山頂上より)

【緯度】364454 【経度】1380823