三登山(みとやま)
 〜長野市北東部に横たわる地味な里山〜標高923m〜
 長野市街地の北東部に横たわる、平坦な台地状の山容を見せる山。標高は923mと、長野市周辺の里山の中では比較的高く、見ようによっては結構堂々とした山といえるが、しかし筆者には、どうもその特徴のない山容ゆえに、なかなか食指が伸びず… かなり前に1度「坂中峠」付近から、TV中継所施設を経て薮がちな道をたどり、頂上三角点までを往復してみたものの、その際の印象的にも、頂上には標識もなく、樹林に囲まれ展望にも恵まれず、ただ三角点標石があるだけという、山容同様に地味な場所であったため、どうも印象が薄いまま時を経てしまった。
 それが、つい最近、筆者自身の山の嗜好の微妙な変化に伴い、改めて訪れてみる気になり、初回と同様に坂中峠側から再訪してみたところ… 何と今回は以前とはうって変わり、目を閉じて歩いてもつまづかないほど良好に整備された道、要所要所に適切に据えられた標識、さらに当時山名プレートすらなかった頂上周辺もきれいに薮が刈り払われ、今や立派な頂上の標識が立てられているという変貌ぶり!(注:そこは三角点地点より若干西寄りになだらかに盛り上がっている場所で、三角点地点は最高点ではない模様)。しかも、今回筆者がたどった「坂中口」登山口には、何と「若槻三登山トレッキングコース」のパンフレットの専用ボックスまで設置され、早速そこにあったパンフレットを手に取って見ると、今回筆者のたどった坂中コースの他にも、「山城コース」「髻山コース」など、いくつものルートが整備された模様であり、驚かされた。これは要するに、近年の中高年登山ブームとか森林の「癒し」効果などがクローズアップされていること等により、里山が身近な健康増進の場として再評価されてきていることなどの一つの表れであろう。我々「山登り」としても、大変嬉しい限りであり、関係者に感謝と敬意を表したい。
 そんなわけで、この山、以前の単なる薮山という印象から、静寂な雰囲気の中、思う存分フィトンチッドを身体に吸収し、心身を癒すことのできる森林浴ゾーンといった趣の山に一変した。家族連れでも安心して歩けそうだし、真に山を愛する向きには、今や実に得難い山域といえよう。なお、筆者のたどった坂中口からの往復所要時間は、写真撮影時間等込みでも、せいぜい1時間半程度だった。

 ← 三登山を望む(長野市三才付近より)

【緯度】364238 【経度】1381318