黒湯山(くろゆやま)
 〜夏道のない原始の色濃き山〜標高2,007m〜
 別掲の御飯岳・老ノ倉山のやや東、ごく近い所に位置する、変わった名前の山。七味温泉のすぐ南にもあたる割には目立たない存在だが、その原因のひとつは夏道がないことだろう。南麓の頂上直下を「上信スカイライン」が通過しており、一見簡単に登れそうに見えるのだが… その実、山腹は猛烈なネマガリダケの薮となっており、よほど物好きかパワーあふれる人でない限り、とても登る気にはなれまい。実際、筆者はある時、この山に近くて条件的にも似通っている「万座山」に、夏場にあえて登ろうとしてみたことがあったが、結果は手や顔面にいくつもミミズ腫れをこしらえた挙句、無残にも撃退されて終わった。
 で… 登るとなると、やはり残雪期しかないということになり… 筆者は別掲の御飯岳の場合と同様、高山村から上信スカイライン経由で何度か登頂した。頂上直下まで車で行けさえすれば、後は残雪を踏みしめて、原始色濃い頂上まで1時間とはかからない。が… 御飯岳・老ノ倉山の項にも記した通り、最近は残雪期には上信スカイラインの長野県側のゲートが開かないという話があるので、その場合は、逆に万座温泉側から上信スカイラインをたどって訪れることになろう。

 ← 残雪の山稜(黒湯山頂上付近にて)

【緯度】363839 【経度】1382844