黒岩山(くろいわやま/黒岩城址)・鷹落山(たかおちやま)
 〜その名の通り黒い山肌を見せる山城址〜標高911m(黒岩山)・879m(鷹落山)〜
 いずれも長野・新潟両県境に近く、近年整備の進んでいる「信越トレイル」の一部をなす山々。標高的には平凡で、所要時間的にも両山セットで3時間も見ておけば十分という手軽な山々ながら、豊かなブナ林など、この山域に共通する豪雪地帯特有の植生が、独特な雰囲気をなす。
 うち黒岩山は、飯山市太田地区の西に、その名の通り黒い岩壁を見せて屏風のごとく屹立する、戦国時代の山城址(黒岩城址)の山。東屋のある頂上からやや南に稜線をたどってみると、山城址らしく、途中にいくつか顕著な堀切が見られる。主に狼煙台としての機能を果たしていたようだ(注:ちなみに『長野縣町村誌 北信篇』の「壽村」の項には、「黒岩山頂に東西十間餘、南北二十五間の平地あり。東北の方に掘切三所、西南の方に一所、後は谷深く、前面最嶮岨にして、石壁の如く、鳥の外翔り至ること能はず、要害堅固の地なるを以て、顔戸氏、川中島戰爭中、遠見の爲に築きしと言傳ふ。其南方に窪地あり、字裝束窪と稱す。」とある)。
 一方の鷹落山は、黒岩山の支峰的な山で、黒岩山方面の好展望台でもある。頂上付近には無線施設が林立し、最高点付近にはNTTの無線塔があるが、真の最高点はその脇の薮をかきわけて少し入ったあたり。そこには立派な「鷹落山」の山名標示の石碑が設置されているのだが、筆者の登頂時点ではなぜか周囲の薮が刈り払われておらず、折角の石碑もこれでは余程の物好き以外は目にすることもなさそうだった。
 これらの山々に登るには、「信濃平スキー場」の中に延びる林道を車で上がり、桂池のすぐ東の、右に鷹落山への林道が分かれるあたりからが判り易い。鷹落山側と道を隔てた反対側に小道が分かれており、それをたどれば黒岩山に達するし、逆に林道をたどれば鷹落山に行ける。
 黒岩山からの下山に際しては、途中で信越トレイルの標識に従い、左に折れて桂池方面に下るとよい。途中の豊かなブナ林や神秘的な沼地のたたずまいに目を惹かれるだろう。なお、黒岩山に関しては、他にも種々述べたいことがあるのだが… 長くなるので、ここでは割愛したい。

 ← 黒岩山を望む(鷹落山頂上より)

【緯度】365449 【経度】1382053
(緯度・経度は黒岩山に合わせてあります。その北東の870m等高線の峰が鷹落山です。)